錆びたつらら

凍って錆びて、折れるまで

ヤクをキメる

夕食でお腹がいっぱいになった私、手にするは2粒の怪しい白い錠剤。
ニヤリとしながら飲み込む。普段錠剤が苦手な私でも、小さい粒だからすぐに飲み込めた。
ゴクリ。
悪いことをしているわけではないのに、悪いことをしている気分になる。
まさか自分が服用することになるなんて、2週間前の私は想像だにしなかったからだ。
 
うつ病」「休職」「精神安定剤
どれも無縁だと思っていたキーワードが、すごい勢いで降り注いできた。
なんだこれは、あれよあれよとうつ病と診断され休職へ。
まぁ頑張りすぎたし、こんなもんかと思いつつ、明日から仕事はいかなくていいんだという解放感も相まって、なんだか複雑な気持ちになっている。
 
うつ病
ふぅん、なってみると案外こんなもんなのか。
もっと延々とどん底の気持ちが続いていくのかと思ってた。
 
「休職」
ふぅん、こんなもんか。
朝いくらでも寝坊できるけど、身体はちゃんと朝6時に目覚めるもんだね。
 
ふぅん、これ私が飲むのか。
飲むのが怖い。麻薬みたいだ。
今、初めての経験をしている。
 
いっそのこと、この状況を楽しんでしまおう、人生は全てがネタだ。
次友人に会った時、面白おかしく話してやろう、それくらいの気概で生きていきたい。
 
「薬を飲んだという事実」に興奮しているのか、
「実際の薬の効果」で興奮しているのかは分からないけど、
落ち込んでいた気持ちが少し上向きになっている気がするからすごい。
 
この勢いで、溜まってるラインを消化しよう。
友人や職場の人から心配するラインが飛んでくる。
ものすごく時間をおいて、ゆっくりと返事をする。
いつもそうだし、まぁ許されるだろうね。